5月の第2日曜日は「母の日」。長い歴史の中でカーネーションを贈る日と定着していますが、日頃の母の苦労をいたわり母へ感謝を表す日でもあります。
誰もが知っている行事ですが、母の日を祝う習慣はどのようにして生まれたかご存じでしたか?
母の日のはじまり
母の日を祝う行事の誕生は諸説ありますが、ギリシャ時代、神々の母リーアに感謝するための春祭りから発祥したといわれています。
この春祭りは小アジア(現在のトルコ共和国付近)の至る所で3月15日に行われていたそうです。
17世紀ごろのイギリスの時代
復活祭(イースター)40日前の日曜日を「Mothering Sunday(マザーリングサンデー)」として、家から離れて仕事をしている人が家に帰って母親と過ごすことが許されていました。(里帰りの日曜日の意味を持ちます。1600年代、主人が使用人を里に帰らせる日としたのが始まりです。)
このとき贈り物として、アーモンド・ペーストを塗ったフルーツケーキ「Mothering cake」というお菓子を用意したそうです。
もっとも、Mothering Sundayには聖母マリアに捧げるミサが行われていたと言われています。この頃Motherは聖母マリアを指していました。
1900年代のアメリカ
現在のような「母の日」は、1900年代のアメリカヴァージニア州が起源といわれています。
1907年にアメリカ人のアンナ・ジャービスという女性が亡き母を追悼する会を開き、参列者に白いカーネーションを贈ったのが始まりとされています。これがアメリカで初めて行われた母の日だそうです。この風習は1910年、ウェストヴァージニア州の知事が5月第二日曜日を母の日にすると宣言し、 やがてアメリカ全土に広まっていきました。のちにアンナ・ジャービスは「お母さんを大切にする気持ち、感謝する気持ち」をアメリカ議会に対して働きかけ、1914年にウィルソン大統領が5月の第2日曜日を「母の日」と制定しました。
アメリカ合衆国政府(アメリカ連邦政府)の公式ホームページにも、最初の母の日(First Mother’s Day May 9, 1914)として、ウイルソン大統領の写 真とともに「あなたは母の日にお母さんのために何をしますか?」というメッセージで始まっています。
日本の母の日
日本で初めて母の日のイベントが行われたのは明治末期頃。1915年(大正4年)には教会でお祝いの行事が催されるようになり、徐々に民間に広まっていったと伝えられています。
昭和に入ると当時の皇后様のお誕生日でであった3月6日を母の日としていましたが、ごく一部の人のイベントでした。
一般に広く知れ渡ったのは1937年(昭和12年)5月6日に「森永母の日大会」を開催したのがきっかけです。 現在のようになったのは、戦後しばらくして1949年(昭和24年)ごろからアメリカに倣って5月の第2日曜日に行われるようになりました。